【ポルトガルの英雄エデル(28歳)】苦労人の泣けるお話

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EURO2016ポルトガル優勝の立役者「エデル」
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「ん、だれ?」

そう思う人は多いでしょう。

2~3年前位から代表でちょいちょい見かけたものの、あまりパッとせず、今回のEURO2016代表メンバーを見たときも「あ、この子まだいるんだ」程度に思っていました。しかもまだ20歳くらいのポルトガルのルーキーかと思ってました。でも、もう28歳らしいっす。しかもかなりの苦労人。

【エデルの苦労】
・アフリカ大陸からの移民
・西アフリカのギニアで暮らしていた両親は、エデルが3才のとき、ポルトガルのコインブラに移住
・しかし経済的に苦しく、10才になる頃には児童養護施設へ預けられる
・カトリック系の施設で、厳しくしつけられた
・13才で地元クラブでプレーするようになって、クラブを転々とする
・貧しさから教育を受けられなかったことで学業はついて行けず、謹慎を命じられることも多かった
・20歳の時、1部のアカデミカ・コインブラと契約。月収400ユーロ(約5万円)を得て、ようやく養護施設から抜ける(20歳という年齢制限があって、強制退去が迫っていた)
・アカデミカでは、2011-12シーズンにチームはポルトガルカップで優勝。しかしエデルはプレミアリーグ移籍交渉がこじれてしまい、終盤戦は追放
・その後ブラガでは飛躍しかけたが、スウォンジーでは不振。大きく柔らかな動きは可能性を感じさせアデバヨール2世の異名を取ったが、ゴール数は伸びない
・2012年には代表にもデビューしたが、パッとしない
・EURO2016大会中「23人の中で代表に一番必要ない選手」という声が多かった

 

【フェルナンド・サントス監督はやはり神】
なぜポルトガル代表監督であるフェルナンド・サントスはそのポテンシャルを信じたのか?
エデルはフランスのリールに移籍し、14試合で6得点を記録しています。これは妻が支えてくれるようになった成果のようです。エデルはメンタル的な弱さがある選手のようです。
そこで、フェルナンド・サントス監督は特別に妻の帯同も許すことで、エデルに賭けていた。
「ゴールしてきます」
決勝戦、交代で送り出されたエデルはサントス監督にそう予告したといわれています。
エデルはサッカーによって、自らの人生を切り拓きました。
歴史を変えるゴールをした後、エデルが左手に装着した白い手袋、
そこには妻へのメッセージが込められているようです。
ここまででも十分泣けますね。
こっから先、さらに泣けます。

 

【エデル君の泣けるお話】
エデル君が13歳の時にアデミアというクラブが関心を示し、そこからキャリアが切り開かれる。当時の彼は控えめで痩せており、そこでアデミアのファンだった肉屋のマニュエルさんがある約束を持ちかける。
「ゴールを決めたら、お肉をあげるよ」
その結果、エデル君は36ゴールを決め、大量のお肉をゲットすることに。
シーズン終了後、マニュエルさんが肉を持ち帰るかと尋ねるとエデル君はこう答えた。
「いいえ、自分がゴールを決めるのを助けてくれたチームメイトたちと一緒に食べます」
一人占めすることなくチームメイトと分け合うと答えたそう。
14歳の少年が見せた謙虚さとチームスピリットにマニュエルさんは泣きそうになったという。
そして、2人は年齢を超えた友人となり、その後もマニュエルさんはエデルのサポートを続けた。
腕時計をあげたり、家賃を支払ったりもしていたそう。
周囲に支えられフットボーラーとして成長していったエデル。
皆同様に「彼は謙虚だった」と口にしており、謙虚な姿勢と努力があのスーパーゴールを生んだ。
おいおいおい、エデルさん。
あんた良い奴ですね。
私の応援リストに入りましたよ。
フランス・リーグアンのリール所属です。
これから彼を応援しましょう。